LIB Live School 4: 自然生態系 人工生態系

弱肉強食 食物連鎖のウソ

「弱肉強食だから動物を食べるのは当然だ」
と、ライオンに2秒で殺されそうな人に言われたことはありますでしょうか。

「食物連鎖だから動物を食べるのは当然だ」
と、牛が怖くて触れない人に言われたことはありますでしょうか。

当然ながら、この主張は根本的に間違っています。

人間など、サバンナやジャングルなど本物の生態系に裸で出たら、数日も生き残れないもやしっ子がほとんどです。
それが、なぜ獣の王のように、傲慢に振舞えているのでしょうか。

それは、人類は自然の生態系と重なるように、長い時間をかけ別に人工の生態系を作り、その中で頂点に君臨しているからです。
(なお、「獣の王=⺨ 王」と書いて狂うです。人類の、動物や地球やあるいは人類自身に対する振る舞いは狂っています。象徴的ですね)

LIB Live School 4: 自然生態系 人工生態系

資料1

資料2

資料3

資料4

FAIRLY.FM

FAIRLY.FMは、NPO/NGO、国際協力、ソーシャルな活動、海外生活を紹介する社会派ポッドキャスト。

LIBは、動物解放を人類として解決すべき社会課題にすることを目標の一つにしています。ソーシャルセクターであっても、動物利用問題はほとんど知られていません。国際開発の現場で活躍されているパーソナリティの方に質問いただいて話すことで、エッセンスが詰まった内容になっています。

36 一番辛いのは動物

動物擁護・動物利用・LIBの活動について(1:18,26)

46 基本、うざがられる(笑)

動物解放・ヴィーガン・経済・倫理について(1:21,10)

124 日本一周、動物園水族館調査を終えて

日本の動物園水族館問題・イルカ猟・IWC脱退について(1:25,44)

年表:動物の権利

1975

動物の解放」出版 ピーター・シンガー(著)
 ※出版後、動物の権利・解放運動が急速に拡大していく。

1978

10月27日
動物の権利の世界宣言 原文(UNESCO:国連教育科学文化機関本が発表)

1989

動物の権利の世界宣言 改定(UNESCO:国連教育科学文化機関が発表)

1994

GAP:Great Ape Project:大型類人猿プロジェクト 発足(設立者 (パオラカヴァリエリ/ピーター・シンガー)

1999

ニュージーランド|大型類人猿に法的権利を与えた

2000

動物福祉に関する世界宣言:UDAW:The Universal Declaration on Animal Welfare(WAP/RSPCA/IFAW/HSUSのプロジェクト) 

2001

大型類人猿の権利宣言 原文(パオラカヴァリエリ/ピーター・シンガー)

2007

NhRP:Nonhuman Rights Project:人権以外の権利プロジェクト設立(弁護士 スティーブンM.ワイズ)

2009

リスボン条約
EUおよび構成国は、動物が感覚のある生物であるので、動物の福祉を十分考慮しなければならない。

2010

5月
鯨類の権利宣言

2011

動物の権利宣言:地球環境保護団体 OurPlanet

2013

6月
インド|鯨類を「人類でない人」と認める

2014

12月
アルゼンチン|裁判所がオランウータンを「人間ではない人」として認める。

2015

フランス|フランス民法典が、これまで動産としてきた動物を、知覚能力のある生物として認めた

スペイン|カスティーリャ・レオン州トリゲロス・デル・バジェで、犬と猫は「非人間の住民(non-human residents)」であるとし、権利を認める条例が可決

2018

インド|インド州が動物に法的人格を認める判決

アメリカ|NhRPによる、チンパンジーのペアに権利を認め解放を求める裁判が、NY最高裁判所で否決された。

1989 動物の権利の世界宣言(改定版)

前文

「生命」はひとつであり、すべての生物は共通の起源をもち、種の進化の過程において分化してきたことに鑑み、
すべての生物は生来の権利をもち、神経組織をもつすべての動物は特別の権利をもつことに鑑み、
これら生来の権利の無視、否(いな)、単なる無知すら「自然」に対する重大な侵害をひき起こし、動物に対する犯罪を人間に犯さしめることに鑑み、
世界における種の共存は、人類が他の種の生存権を認めることを前提とすることに鑑み、
動物の尊重は、人間自身の間の人間の尊重と不可分であることに鑑み、
つぎのように宣言する。

第一条

すべての動物は、生物学的均衡(equilibres biologiques)の枠内で、等しく生存の権利をもつ。この平等性は種ならびに個体の間の差異を覆い隠すものではない。

第二条

すべての動物(vie animale)は、尊重される権利をもつ。

第三条

いかなる動物も、虐待または残虐行為の対象とされない。
A動物を殺すことが必要な場合には、即座に、苦痛なく、不安を生ぜしめないやり方で死にいたらしめなければならない。
B死んだ動物は品位(decence)をもって扱われなければならない。

第四条

野生動物は自然な環境のなかで自由に生き、その中で繁殖する権利をもつ
A野生動物の自由を長期間奪うこと、娯楽のための狩猟と釣り、そして生命維持に不可欠でない目的での、あらゆる野生動物の利用は、この権利に反する。

第五条

人間が自分の支配下においている動物は、扶養され、注意深く世話をされる権利をもつ。
A前項の動物は、正当な理由なく、遺棄され、死に至らしめられてはならない。
B動物の飼育・利用の形態がいかなるものであれ、その種に固有の生理と行動を尊重しなければならない。
C動物を使った展示、見世物、映画もまた動物の尊厳を尊重し、暴力を一切含んではならない。

第六条

肉体的・心理的苦痛をともなう動物実験は、動物の権利を侵害する。
A代替方法が開発され、組織的に用いられるべきである。

第七条

必要なく動物の死を伴う行為はすべて、ならびにそのような行為へといたる決定はすべて、生命に対する犯罪を構成する。

第八条

野生生物の生存を危うくする行為はすべて、ならびにそのような行為へといたる決定はすべて、ジェノサイド、すなわち種に対する犯罪を構成する。
A野生動物の殺戮、ビオトープの汚染と破壊はジェノサイドを構成する。

第九条

動物の法人格とその権利は、法律によって認められるべきである。
A動物の擁護・保護については政府機関のなかに代表者をもつべきである。

第十条

啓発と公教育によって幼いうちから動物を観察し、理解し、尊重するよう、人間を導くべきである。


「動物の比較法文化 — 動物保護法の日欧比較」
青木 人志 (一橋大学助教授) (著)
有斐閣(2002/02)
ISBN 4-641-02772-2

1978 動物の権利の世界宣言(初版)

前文

すべての動物は権利をもつことに鑑み、
その権利の無理解と無視が、これまで人間を自然と動物に対する犯罪へと駆り立て、今後も駆り立て続けることに鑑み、
人類が他の動物種の生存権をみとめることがこの世界における種の共存の基礎をなすことに鑑み、
種の虐殺が人間によって犯され、犯されるおそれがあることに鑑み、
人間が動物を尊敬することは、人間自身のなかの人間の尊重につながることに鑑み、
教育によって、幼いうちから動物を観察し、理解し、尊敬し、そして愛することを教えるべきことに鑑み、
次のごとく宣言する。

第一条

 すべての動物は生命の前に平等に生まれ、同等の生存権をもつ。

第二条

すべての動物は尊敬される権利をもつ。
A動物の種としての人類は、他の動物を絶滅させたり、その権利を侵害することによって動物を搾取したりしてはならない。人間はその知識を動物たちのために役立てる義務を負う。
Bすべての動物は、人間に注目され、世話を受け、保護される権利をもつ。

第三条

いかなる動物も虐待され、残虐行為の対象とされない。
A動物を殺すことが必要である場合は、即座に、痛みや不安を与えないやり方で殺さなければならない。

第四条

野生種に属するすべての動物は、その固有の自然環境、地上、空中、水中の環境のなかで生きる権利をもつ。
Aたとえ教育目的であっても、あらゆる自由の剥奪はこの権利に反する。

第五条

人間の環境に伝統的に生活してきた種に属する動物は、その種に固有の生命と自由のリズムと条件に従って生活し生育する権利をもつ。
A人間が商業目的で強いるこのリズムと条件の修正は、すべてこの権利に反する。

第六条

人間が伴侶に選んだすべての動物は、その本来の寿命をまっとうする権利をもつ。
A動物の遺棄は、残虐で下劣な行為である。

第七条

すべての労役動物は、その労働の期間と強度を適正に制限される権利、体力を回復する食餌の権利および休息の権利をもつ。

第八条

肉体的・心理的苦痛をともなう動物実験は、医学的、科学的、商業的、その他いかなる実験形態であれ、動物の権利に反する。
A動物実験の代替技術が利用され開発されなければならない。

第九条

動物が食用に飼育されている場合は、動物になんら不安も苦痛も与えぬようなやりかたで、食餌と住居をあたえ、死に至らしめなければならない。

第十条

いかなる動物も人間の娯楽のために利用されてはならない。
A動物の展示と動物を使った見世物は動物の尊厳に反する。

第十一条

動物を不必要に死に至らしめる行為は、すべて生物殺(biocide)すなわち生命に対する犯罪である。

第十二条

野生動物の多数を死に至らしめる行為は、すべてジェノサイド(genocide)すなわち種に対する犯罪である。
A環境の汚染と破壊はジェノサイドにつながる。

第十三条

死んだ動物は敬意(respect)をもって扱われなければならない。
A映画とテレビ放送における動物に対する暴力行為は、それが動物の権利の侵害となることを示す目的である場合をのぞき、禁止されなければならない。

第十四条

動物を保護する機構は、政府レベルで代表されなければならない。
A動物の権利は人間の権利同様に、法律によって擁護されなければならない。


「動物の比較法文化 — 動物保護法の日欧比較」
青木 人志 (一橋大学助教授) (著)
有斐閣(2002/02)
ISBN 4-641-02772-2