One Green Planet by Jenna Bardroff
クジラとイルカがタンク(水族館)にいるべきでないことを示す10のサイン
あなたは、刑務所で生まれることを想像できるだろうか? 毎日朝から晩まで檻の中で他の惨めな仲間たちと一緒に過ごす。時々、ぎゅうぎゅうに閉じ込められているストレスから、仲間があなたに攻撃的になることもある。日々、自分の独房から抜け出す機会はあったとしても、実際に出たらどうだろう。看守(トレーナー)の厳しい目にさらされながら、プレッシャーの下で働かなくてはならない 。
仕事をするときは、常に多くの観客の目にさらされる。食事は看守の望みどおりの動きができたときのご褒美として貰える。でも、もしその期待に添えなかったとしたら、食事にありつけず空腹に苦しむ ことになるだろう。自分が生き残れるかどうかは看守次第。看守と同じ言葉は話すことができない。だから、わたしはここにいるために生きているのではない 、と伝えることだってできない。
あなたはこんな人生を送らなくてはいけないほどの事をしてしまったのだろうか?いや、何もしていない。ただ、自由のない世界に生まれただけ、みんなを楽しませるために 。そして、そうやって生きることを好きにならないといけない。だって、何百万ドルも費やして世界一流のお世話をしてもらえるのだから。向精神薬 を与えられ、解放に想いをはせることなんて馬鹿みたいな話だ。
どこか聞き覚えのある話だろうか?もしそうなら、あなたは多分、囚われの身になったイルカやクジラが思い浮かぶのではないだろうか。かの有名なシーワールドは大衆に“広々とした水族館、レストラン級の魚、エクササイズ、質の高い獣医療、エンリッチメント ”を鯨類たちに十分与え彼らを満足させているかのように見せている、結局は利益優先だけれども。信じられない?では、鯨類は野生として生きるべきであることを示すサインをあげてみよう。
1. 形が崩れた背びれ
なぜ、面白い芸を見せてくれているシャチの背びれはだらりとしているのだろう ?それは間違いなく自然な状態ではない。もしこれまでにビデオや画像で、雄大な野生のシャチの姿を目にしたことがあれば、彼らの背びれは真っ直ぐ垂直に伸びていることに気が付くはずだ。シーワールド教育部門のメンバーによると、シャチの背びれがだらりとしている理由は、遺伝子的要因、重力、遊びの最中の怪我からだそうだ。監禁ではなく。
しかし、その答えでは、何故、大半の監禁されているシャチたちは同じように形が崩れ、だらりとした背びれをしているのか疑問がわいてくる。野生では僅か1%のオルカだけにしかこの様な状態はみられない。
2. 仲間同士の攻撃
あなたには、この驚くほど賢く感情豊かな生物である彼らが、行動を制限され監禁状態にされ、イライラとストレスを抱えてしまうことを咎めることができるだろうか。監禁された状態では争いから逃げ出すこともできず、その結果互いにストレスの影響を受け苦しむ。想像してみてほしい、あなたが鍵を閉められた部屋の中で妻や夫と喧嘩するところを。
多くのイルカたちは、例えば写真のオルカのように、同じ水槽の仲間によって傷を負うことがある。野生ではこのようなことは滅多に起きない。オルカは生まれながら肉食であり、野生として生きていくために他の動物を食べるが、彼らは監禁の下でしか破壊的な行為を行うことはしない。
3. 異常な反復行動
私達は皆、暇すぎると少しおかしくなってしまう。しかし、その退屈さとストレスが毎日毎日、あなたの生涯に渡って続くことを想像できるだろうか?イルカやシャチなどの脳の重量と体積は、人間よりも大きい。だから鯨類たちに、人間の刑務所でみられる拘禁精神病 の症状に似た、監禁状態に置かれた動物の異常行動 が現れることは全く不思議ではない。 よく見られる行動としては ・繰り返しぐるぐると同じところを泳ぐ ・上下関係を定める ・無気力で水面や床に比較的長い時間横たわる が含まれる。
4. 極度の退屈が引き起こす歯の損傷
あなたが狭いコンクリートのバスタブに住んでいるとしたら、他の鯨類と仕切るためのバーを噛むこと以外何をすることがあるだろうか?残念ながらこの神経行動が歯の重大な問題の引き金となる。囚われの身の鯨類たちの歯は、しばしば欠け、損傷が見られ、時には歯組織の真ん中をドリルしなくてはならない 。(痛い!)
5. 自傷行為
イルカたちは自分の体を自らタンクのコンクリート壁側面に打ち付ける ことがあることが知られている。悲しいことにマリンパークは彼らがとても可愛がっているイルカたちの感情面に対するカウンセリングを行っていない。
6. 嘔吐
元シ―ワールド キラーホエール トレーナーのジョン ハーグローブ氏によると 「ほぼすべてのシャチたちは、私達とのふれあいが終わると餌の嘔吐をし始める んだ」 と言っている。鯨類研究者たちは監禁状態にある環境が結果として動物の脳の大きさを縮ませることになっているのではないかと考えている 。精神的刺激の欠落脳への刺激不足(頭を使わせない)により、コミュニケーションを司る脳の機能は委縮する可能性がある。鯨類たちは自らの嘔吐物で遊ぶまでに墜落させられる。
7. 自殺未遂
意図的に自らのカラダを水槽から投げ出したり、食用でない石を飲み込んだりと、多くのイルカやシャチたちは、水槽での生活に生きる価値を見いだせず命を終わらせる決意をしている。 囚われとなっている鯨類の自殺未遂に関する記録は多く残されている 。これが、彼らが閉じ込められた空間に適さない決定的なサインではないのであれば、他になにがあるのだろう?
8. 薬物依存
医薬品は身体的、精神的病気を治すために患者に使われるものでしたね?薬物はどうやら精神的に苦しんでいる囚われの身の鯨類を落ち着かせるためにも使用されているようだ。シ―ワールドは彼らのシャチたちに向精神薬(ジアエパム(バリウムR)のようなもの)を投与 していることを認めている。勿論、彼ら動物たちが病的に一日中ぐるぐると泳ぎ続けたり、自らの嘔吐物で遊んだり、自殺未遂をしたりすることは水槽での暮らしという事実とは関係ないそうだが。 ※訳注:ジアエパム(バリウムR) http://www.dapc.or.jp/kiso/29_medication.html (麻薬・覚せい剤乱用防止センター)
9.異常な病気
囚われの身であるイルカやオルカたちは異常な環境に閉じ込められている。故に彼らが異常で珍しい病気にかかりやすい傾向がある ことは驚くことなのだろうか?例えば、野生の鯨類とは異なり、囚われの鯨類たちは多くの時間を水面から出た状態で過ごす。(覚えていますか?イルカやクジラたちは退屈な時、よくじっと水面で浮いているのを) オーランドにあるシーワールドのトレーナーたちは、シャチの背中に蚊の群れがたかっているのを目撃したことがある。KANDUKE(カンドューク)という名の大きな雄のオルカは蚊が感染源となる病原体に感染し、シーワールドで予期せぬ死を遂げた。ラスベガスにあるミラージュホテルのイルカたちは、国立衛生研究所によるとストレスと不健康が引き金となる、水痘と呼ばれる接触性伝染病に感染し苦しんだことがある。
10.早すぎる死
鬱、攻撃、歯の不健康、自傷、嘔吐、自殺未遂、薬物、病気 - これらは最終的に死に至るサインのようではないだろうか? 1995年にロバート・スモールとダグラス・デマスターが行った研究によると、囚われたイルカたちの年間死亡率は野生の鯨類たちより2.5倍も高かった 。悲しいことに、現在も囚われた鯨類たちの状況はあまり良くなっていない。野生のキラーホエールたちが80~90歳まで生きるということが分かっている一方で、囚われたオルカたちでは40歳を超え亡くなった雌が2頭、35歳を超えた雄はいない。
この残酷な状況を終わらせるため、あなたにできること。
今、あなたは鯨類たちはタンクにいるべきではないと納得していますか?まだでしょうか?鯨類たちが囚われの人生について言いたいだろうことを書きますので読んでみてください。
僕たちの友達が自由になるために手助けしてほしいこと ・水族館を支援しないでください。 ・水族館からチケットを買わないと誓ってください。 そしてこのメッセージを家族や友達、同僚とシェアしてください。 ・政府機関や選挙事務所にコンタクトを入れ、鯨類捕獲の防止を要望してください。 ・鯨類たちの自由のためと、繁殖を終わらせる請願書に署名をしてください。 ・鯨類の解放のために平和的な抗議活動に参加してください。 ・監禁を反対している素晴らしいヒーローたちがやってくれたことを調べてみてください ・どうして飼育産業には終焉の希望があるか学んでみてください。 ・もっと学ぶために映画「Blackfishブラックフィッシュ」を観てください。 それから、シーワールドの「Truth Team 真実のチーム」について調査してみてください ・ソーシャルメディアを使ってこのことを世界に広めてください(そしてOGP投稿をシェアしてください)
訳注 ※1 映画「Blackfishブラックフィッシュ」 オンラインでレンタル できます。 ※2 シーワールドの「Truth Team 真実のチーム」 シーワールドの支援のためのページ。 Everyone should Donate to SeaWorld & Busch Gardens Fund if u love seaworld.(みんな、シーワールドが好きだったら、シーワールドとブッシュガーデン基金に募金してね)との文言あり。反対するのメッセージが多数あります)
翻訳:A.F.