1ヶ月前の2月11日、この直後、全滅させられたカズハコンドウ35人の生前の姿です。
ボートで追い込まれパニックになっているのがわかります。
翌日、近隣のスーパーには大量のイルカ肉が売っていました。
この子たちの遺体です。
水族館から注文が無いイルカは、食べます。
質問いただきましたので回答します。
回答には、事実・観察による合理的な推測・ドルフィンプロジェクトからいただいた情報があります。
誤認等ありましたらご指摘いただければ幸いです。
【なぜ広い海なのに、イルカは逃げられないのか?】
①12隻の高機能エンジンを積んだ高速船を使用します。そのうちの1隻がイルカの群れを見つけると、他の船に連絡が行き、静かに取り囲みます。フォーメーション(イルカの囲む体制)を取ると、一斉に、バンガーで轟音を立てます。
②バンガーとは、オイルを注入した鉄のパイプです。バンガーの先を水中に差し入れ轟音を出し、音の壁でイルカを囲い込みます。イルカは音の動物であること、水中は空気中の5倍音が伝わる、等々のことでイルカはパニックに陥ります。
②パニックに陥ったイルカは呼吸が浅くなり、速く泳げなく、深く潜れなくなります。
③イルカが逃げ、追い込みが失敗するときは、若い男性だけの群れだった等が考えられます。体力があり、速く深く潜りながら逃げることができるためです。
④子どもがいるポッド(群れ)の場合、母親は子どもを守るために、子どもの速度に合わせて泳ぎます。当然漁師はそれをわかっています。
【イルカ同士で人間の危険さを共有していないのか?】
① イルカがどのような量・質のコミュニケーションをしているかわかりません。
②イルカの種ごと、さらにはポッドごとに、違う言語・方言があると考えられています。どれほど通じるのか不明です。
③海は陸地の7倍ありますので出会う確率自体が低いと考えられます。
※複数回追い込まれた経験のイルカがいる可能性があります。イルカ漁師がイルカをリリースするときには背びれに目印のタグをつけます。リリースするときに2つタグがついているイルカがいました。
【人間の船に近づかなければいいのでは。イルカ漁船の見分けはつかないのか?】
沖には数多くの船が出ています。イルカたちは回遊している間多くの船に遭遇しているはずです。海の中からは、どの船が危険なのかは見分けがつきません。イルカたちから見たら、いつの間にか船に囲まれていて突然轟音を出され、その時に初めて自分たちが危機的な状況にいることがわかるのでしょう。
【イルカトレーナーがイルカ漁に参加しているの?】
漁師がイルカを追い込んでくると、イルカトレーナーが船で集まってきます。
イルカを選別します。
若くて皮膚が綺麗な女性のイルカが高く売れます。
大人しく、芸を仕込みやすく、子どもを産ませさせることができるからです。
イルカトレーナーに選ばれなかったイルカは殺され、食べられます。
リリースされることもありますが、イルカへの優しさからではありません。
【リリースするイルカと、しないイルカの違いは?】
イルカ猟師はハンドウイルカは捕獲をし、残りは殺さずリリースする傾向にあります。理由として考えられるは、
①不味い。
②ハンドウイルカは水族館に高く売れるので獲りすぎて個体数が減ると、将来の収入がなくなるため、リリースして子供を産ませるため。
【食べるイルカは?】
人気があるのが、マゴンドウ、スジイルカ、ハナゴンドウ、カズハゴンドウです。
ハンドウイルカは不味いとされるようです。
前日のイルカ漁調査で、
スジイルカのポッド30人、カズハゴンドウのポッド35人が全滅させられ、
マダライルカ やハンドウイルカのリリースが多かったのはそのためだと考えられます。
【ポッド(群れ)のとは?】
ポッドは、家族や仲間の集まりのことです。
イルカの種によって、ポッドの作り方は異なるようです。
一部紹介します。
《ナーサリーポッド(子育て専用の群れ)》
ハンドウイルカは、”ナーサリーポッド(Nursery Pod)”という、母子とそれをサポートする経験ある女性たちで構成される子育てのための群を作ります。
漁師たちはナーサリーポッドを好むと思われます。理由は、
①子どもがいるので速く泳げず、またパニックに陥るため、母やサポートの女性は子どもをケアするため逃げることができない。
②高く売れる若い女性や子どものイルカがいる。
③残りをリリースすれば再び子どもを産み、将来また追い込み、捕獲し、販売することができる。
《若い男性だけのポッド》
若い男性だけのポッド。
《混合のポッド》
ハンドウイルカは他の種のポッドと混合のポッドを作るようです。マゴンドウとの混合ポッド、ハナゴンドウ との混合ポッド等です。