左半分が犬の顔、右半分が牛の顔

全体像

種差別とは何か。動物たちへの無意識な差別を知ろう

  • 2024/11/27

「牛乳は美味しいけど、犬の乳を飲むなんて想像しただけで気持ち悪い。」

「人を実験に使うのは非倫理的だが、動物を実験に使うのは可哀そうだけど仕方ない」

このように、動物の種類によって扱い方の違いが生まれるのは、どうしてなのでしょうか?

この背景には「種差別」という概念が存在します。

この記事では、種差別について、定義と歴史、具体的な例、種差別がもたらす影響、そしてそれに対する対策を取り上げます。

種差別とは

種差別(speciesism)とは、種の違いを理由に人間以外の動物を差別することを指します。

具体的には、人間が自らの種を他の動物種よりも優位に位置付け、その結果として動物を不公平に扱う態度や行動を指します。また、人間以外のある特定の動物種を他の動物種よりも不当に扱うことなども含まれます。

この概念は、1970年代に哲学者であるピーター・シンガーによって広く知られるようになりました。シンガーは、種差別が人種差別や性差別と同様に不当であり、倫理的に許されないと主張しました。

種差別の具体例

もう少し噛み砕いてみましょう。

例えば、牛や豚、鶏などは食用として扱われ、過酷な飼育環境や屠殺が容認される一方で、犬や猫は家族の一員として愛情深く飼われることが多いです。このように、同じ動物でありながら、その種によって扱いが大きく異なることが種差別の一例です。

他にも、医学や化粧品の研究のために多くの動物が実験に使用され、痛みや苦しみを受けることがあります。ヒトに対しては非倫理的であると認識されている一方で、ヒト以外の動物であれば仕方ないと考えられているでしょう。これも種差別的な行為です。

他にも、ヒトを拉致して監禁することは当然非人道的だと見なされる一方で、ヒト以外の動物であれば動物園、水族館などに閉じ込めたり、ショーをさせたりすることは一般的だと見なされています。その結果、動物たちが精神病を患っていることすら知られていません。

このように、人以外の動物が、まさに人以外の動物であることを理由に不当な扱いを受けることや、動物の種類の違いを理由に異なる扱いを受けることが種差別の考えに基づいた行動だと言えます。

さらに、種差別がもたらす影響は、動物に対する直接的な苦痛や搾取にとどまりません。環境への負荷や生態系の破壊、人間の倫理観や価値観の低下など、広範な問題を引き起こしています。種差別を認識し、その不当性を理解することは、動物解放はもちろん、真の意味で持続可能で倫理的な社会を実現するためにも不可欠です。

種差別を正当化できない理由

さて、上記のような現状は、現代の人間社会では疑問を持たれることもない、「普通」のことだと思われています。

しかし、このような種差別は、倫理的に正当化できるのでしょうか?

結論は、人種差別や性差別が不当であるのと同様に、種差別もまた不当です。私たちが他の人間を差別しない理由は、かれらが感覚を持ち、苦痛を感じる能力があるからです。この原則を一貫して適用するならば、動物に対する差別も同様に不当とみなされるべきでしょう。

動物も人間と同様に感覚や感情を持ち、苦痛や喜びを経験する能力があります。この事実に基づいて、動物の苦痛を無視することは倫理的ではないでしょう。もし私たちが他人の苦痛を軽視しないのであれば、動物の苦痛も同様に重要視すべきだと考えられます。

あなたにできること

  • 種差別について理解を深める
  • 動物利用問題について学ぶ
  • 種差別に反対し、ヴィーガンになる
  • 種差別に反対の声をあげる
  • 動物解放団体リブを支援し、種差別をなくす活動を応援する

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この記事を書いたライター

リブ_シンボル

動物解放団体リブ編集部

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