身も心もボロボロのゾウ

娯楽に使われている動物

【保存版】動物の「異常行動」とは?動物園や水族館の動物のストレス・精神疾患について解説

  • 2017/10/26
  • 2024/02/01

日本にある、動物園・水族館等の動物利用娯楽施設の数は、世界でトップレベルです。

それらの施設全てで、動物たちが起こしている「異常行動」。

この記事では、動物解放団体リブが、日本のほぼすべての動物園・水族館、合計283施設を実際に調査した結果に基づいて、動物園や水族館で起きている動物たちの異常行動の原因や具体的な例を説明します。

異常行動はストレスによる精神病

動物の異常行動とは、動物園や水族館等に監禁された動物たちに起こる、精神病の一種です。

英語では、Zoochosis(ズーコシス)と言います。
人間の場合、拘禁精神病、拘禁反応と呼ばれ、刑務所や精神病棟等に監禁された際などに現れます。

異常行動にも様々な種類があり、目的もなく同じ場所を円を描くように歩き続けたり、過剰に毛を抜いたり、プールの底に頭を打ち続けたり、自傷行為をしたりするなど、多岐に渡ります。

動物は野生で自由に歩き回り、社会的に交流し、一般的には豊かに過ごします。
その反面、動物園や水族館等では、家族や友人と引き離され、食も行動範囲も全てコントロールされ、人間に見られ続けます。その結果、動物は精神的苦痛を感じます。

異常行動の原因は、監禁されていること

では、異常行動はなぜ起こるのでしょうか。
端的に言えば、動物たちが監禁されていることが理由です。

例えば、動物園や水族館で人気なゾウ。
ゾウは社会的な動物で、高度なコミュニケーションをとりながら生活しています。

そんなかれらが野生から連れてこられる場合、家族・親戚や友達と引き離され、理由も分からないまま見知らぬ狭い空間に閉じ込められ、人間に見られ続けます。場所によっては、ブルフックやドリルなどを用いて調教され、芸をさせることすらあります。死ぬまでそこで監禁され、苦しみ続けます。

ゾウを例として取り上げましたが、日本中の動物園水族館では、数えきれないほどの動物たちが人知れず精神を病み、異常行動をしているのです。
ちなみに、異常行動をしていない動物は問題ないかと言えばそうではありません。

人間でも精神的苦痛を表に出さない人がいるように、動物にもそれが当てはまります。また、精神的苦痛が全て人間が理解できるような形で現れていれば人間はかれらの精神的苦痛を知ることができますが、動物種によってまったく動きに現れない場合もあります。

異常行動の種類

上述したように、異常行動にも様々な種類があります。
数えきれないほどの異常行動が発見されています。分類をしましたので、以下に記載します。

常同行動

常同行動とは、目的のない反復的な行動を繰り返す動きの総称です。
異常行動の中でも、常同行動の割合が高く、動物園でも頻繁に見られます。

具体的には以下のような行動があります。

  • ペーシング(pacing/常同歩行):同じ場所を同じ速度で歩き続ける
  • サークリング(circling):同じ場所を円を描くように歩き続ける
  • スウェイング(swaying):頭を左右に動かす
  • ヘッドボビング(head bobbing):頭を上下に動かす
  • ウィービング(weaving):頭を前後左右に揺らす
  • ロッキング(rocking):体を揺らす。ロッキンチェアのような動き。
  • 首回し(neck twisting):首をぐりんと回す
  • トランクスウィンギング(trunk swinging):ゾウ。鼻を揺らす。
トランクスウィンギング
バク転をし続けるホッキョクグマ

自分の体へ危害を加える異常行動

  • 自傷(self mutilation):自分を傷つける
  • セルフカニバリズム:自分自身を食べる
  • 嘔吐(vomiting):吐き戻し
  • 弄便(Coprophilia/ろうべん):糞便で遊ぶ、食べる、壁などに塗る
  • 糞便を食べる
  • 尿を飲む
  • 排尿不順
  • 過度の発声
  • バキュームアクティビティ:そこに物がないのにあたかもあるように行なう行動。例)獲物がいないのに捉える仕草をするなど。
  • 自分の尾を追いぐるぐる回る
  • オーバーグルーミング(over grooming):過度の毛づくろい
  • 自分の毛を引き抜く。それを食べる
  • フェザー・プルッキング(Pterotillomania): 鳥が自分の羽を嘴で摘み取り 羽や肌に損傷を与える
  • 舌遊び(tongue playing):舌を動かす
  • クライビング(Cribbing):馬。空気を吸いながら、鉄柵などを嚙む
  • ウィンドサッキング:馬。空気を吸う
  • Adjunctive behavior:参考
  • 自殺/自殺未遂
  • 歯の損傷(コンクリートや柵を噛む)
  • 水から出てプールサイドに上がる
自傷(プールの底に頭を打ち続ける)

※自殺について

イルカやシャチなど、鯨類は自殺すると考えられています。
例えば、2011年名古屋港水族館に監禁されていたシャチ、「ナミ」。
ナミは石490個、計約81Kgを飲み込み胃潰瘍、内臓出血で死亡。28才でした。
1985年太地町の捕鯨で捕獲され太地町立くじらの博物館に監禁。その後、2010年名古屋港水族館が5億円で購入しました。
大量の石はくじらの博物館に監禁されていた時に飲み込んでいたとみられます。(参照

他者に向かう異常行動

  • カニバリズム(cannibalism):同種の動物の肉や内臓を食べる
  • 母親が自分の子どもに攻撃を行なう
  • 子殺し
  • 異常な性行為
  • 激しく攻撃的な行為
  • 毛を引き抜く
  • 他の動物の尻尾を噛む
  • Bloodiness:商用鶏に起る
  • 強制換羽:商用産卵鶏に、数日間食べ物と水を与えず羽を失わせる
  • ベントペッキング:商用鶏に起こる。他の鶏の肛門を突く
  • フェザーペッキング:ある鳥が別の鳥の羽を繰り返したり、引っ張ったりする
  • オブジェクトペッキング:物を突っつく
  • ヘッドフッリッキング:頭を振る
  • いじめ
  • 上下関係を定める
毛を抜き続ける

非攻撃的な異常行動

  • うつ病
  • 無気力状態:不快な状況を避けることなどをしない
  • 気絶、意識の喪失
  • 強迫性障害:頻繁に繰り返される、特定の不必要な行動
  • 活動性食欲不振:過度に運動しながら同時に食物摂取を減少させる状態。
  • その他ストレッサーに晒されることに起因する行動:食欲の喪失、社会的撤退など。
  • 水面や浅い場所にただ浮いている
  • プールの底に横たわる
うつ・拘禁症

食に向かう異常行動

  • 金属を噛む・舐める
  • ジオファジー:土や砂を食べる。
  • Lignophagia:木を食べる。
  • Osteophagia:骨食。骨を嚼んだり食べたりなどする
  • ストーンチューイング:石や岩を噛む
  • 通常の食べ物以外の食べ物を食べる
  • 肉食動物の草食
  • 多飲症(Polydipsia):過度に水分を飲む

物に向かう異常行動

  • 噛み(biting):棒や木、壁などを噛む
  • 舐め(licking):棒や木、壁などを舐める
  • 床や壁などを過剰に舐める
  • ブランケット・サッキング:ブランケットを吸ったり嚙んだりする。

これら以外にも、人間には分かりにくい異常行動や、まだ発見されていない行動がある可能性があることに留意してください。

↓YouTube再生リストまとめ

問題解決のためにあなたにできること

今回取り上げたのは、動物の異常行動でした。

動物園や水族館などは、あくまで人間の娯楽目的の施設であり、動物にとっては苦痛の原因となっているのが実態です。

この問題を解決するための最適な解決法は、動物を解放することです。

現在監禁下に置かれた動物については、可能な限り野生に戻すためのトレーニングを行い、野生に戻し、それと同時に新たに動物を監禁せず、繁殖により新たな命を生ませないことが理想的です。

しかし、動物園や水族館は基本的に営利企業ですので、施設に客が行き続ける限り、動物は苦しみ続けますし、新たに動物を監禁する理由になります。

あなたにできることは何でしょうか?例えば以下の例が挙げられます。

人間以外の動物も、我々同様、権利の主体として尊厳が認められるべきです。

あなたにできることを探し、ぜひ変化を起こしましょう。

この記事を書いたライター

リブ_シンボル

動物解放団体リブ編集部

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