野生動物をめぐる野生動物関連法と市民

社会構造を知る

野生動物関連法の基礎知識

  • 2024/11/21

この記事は、野生動物の擁護活動を行おうとする方向けの記事です。

野生動物関連法を読み解きながら、野生動物をめぐる日本の状況を見ていきます。

野生動物関連法は、情報が散らばっており、系統立てて理解することが難しくなっています。本ページでは、情報をカテゴリーに分け、系統立てて把握し理解できるようにまとめています。

このページを読めば、野生動物関連法に関する基礎知識を獲得でき、また、これらの法律を活用した通報や告発などによって動物を守る活動、法律をより強化するためのロビーイング活動などに役立てることができます。

また、ボキャブラリーを調べたいときなどは、記事内検索をすると、辞書的な使い方ができます。

野生動物関連法の全体像を把握する

日本の法律の一般的な構造

日本の法律は一般的に以下の図で示した構造になっており、この構造を覚えておくと、法律が把握しやすくなります。野生動物関連法もこれに準じています。

法律の一般的な構造

野生動物に関連する法律まとめ

鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)

鳥獣保護管理法施行規則(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則)

鳥獣被害防止特別措置法(鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律)

鳥獣被害防止特別措置法施行規則(環境省関係鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律施行規則)

外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)

外来生物法施行規則(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行規則)

動物愛護管理法

自然環境保全法

種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)

自然公園法

都市計画法

《参照》日本の動物法と対象動物

日本の動物法と対象動物

赤色の枠に属する動物が、狩猟鳥獣です。
対象は、野生の哺乳類と鳥類。それ以外の、人が占有する哺乳類・鳥類・爬虫類と、脊椎動物のうち爬虫類と両生類、無脊椎動物の全ては対象外です。

この記事で取り上げる主な法律

この記事では、主に以下の法律をとりあげます。

これらの法律の関係は以下の通りです。

野生動物関連法の関係_縦

関係を野生動物を中心に表すと以下のようになります。

野生動物関連法の関係_円

鳥獣保護管理法を分析する

日本の野生動物関連法の中心となるのが、鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)、そして、鳥獣保護管理法施行規則(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則)です。施行規則とは、法律の具体的な運用などが書かれた法令です。

鳥獣保護管理法の本則は六章・八十九条です。

各文の根拠条文の記述方法は、例えば、(第一条 第二項 第三号)は(1-2-3)、(第七条の二)は(7の2)とします。

鳥獣の分類

狩猟鳥獣リスト

最初に、鳥獣保護管理法における、動物の分類と定義をまとめます。それぞれで扱いが異なります。殺されるのは、

  • 鳥獣: 鳥類又は哺乳類に属する野生動物(2)
  • 狩猟鳥獣: 環境省令で定める狩猟が許可されている鳥獣(2-7)
  • 対象狩猟鳥獣: 狩猟鳥獣のうち保護が必要な鳥獣(11-2)
  • 第一種特定鳥獣: 減少している鳥獣(7-1)
  • 第二種特定鳥獣: 増加している鳥獣(7の2)狩猟鳥獣でない動物(ニホンザル等)の捕獲管理等はここで行われます。(14)
  • 希少鳥獣: 国際的又は全国的に保護が必要な鳥獣(リスト:希少鳥獣)(2-4)
  • 特定希少鳥獣管: 希少鳥獣のうち特定の地域で著しく増加している鳥獣(2-5)
  • 指定管理鳥獣: 集中的かつ広域的に管理を図る必要がある鳥獣(ニホンジカ、イノシシ、ヒグマ、ツキノワグマ)(2-5)(環境省 指定管理鳥獣捕獲等事業
  • いつでも殺してよい動物
    • ネズミ全種、モグラ全種(農林業の支障になる場合) (13)
    • ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ(鳥獣保護管理法が適用されない)(80-1)(施行規則 78)
  • 他の法律で規定されている鳥獣
    • 害獣・有害鳥獣: 鳥獣被害防止特別措置法施行規則によって、被害防止計画や処理の方法などが決められています。狩猟期間などは、市町村ごとの条例で決められます。
    • 特定外来生物: 外来生物法施行規則によって、防除や処理の方法が決められています。(特定外来生物一覧
      特定外来生物のうち狩猟鳥獣は、アライグマ、アメリカミンク、ヌートリア、タイワンリス
      それ以外の非狩猟鳥獣は、タイワンザル、キョン、マングース、カナダガンなど。
      狩猟鳥獣は法定猟法で捕獲殺害され、非狩猟鳥獣は自由猟法で捕獲殺害されます。(→ 狩猟の種類・免許・猟具)

      特定外来生物は、逃す、飼育、譲渡、販売が禁止されています。生きたまま搬送することも禁止されており、捕獲現場で殺害するか、行政職員に引き渡さなければなりません。
      なお、ハクビシンは特定外来生物ではありません。

第一章 総則(1〜2条)

第一条 目的

「鳥獣の保護及び管理を図るための事業」と、「猟具の使用に係る危険を予防することにより、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化」を行うことによって、

  • 生物の多様性の確保(生態系の保護を含む。)
  • 生活環境の保全
  • 農林水産業の健全な発展
  • 自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保
  • 地域社会の健全な発展

を目的とする。

第二条 定義

鳥獣保護管理法の「保護」と「管理」それぞれの定義は重要です。

  • 保護: 生息数を増加させ、生息地を拡大・維持すること(2-2)
  • 管理: 生息数を減少させ、生息地を縮小させること(2-3)

捕獲等、採取等と書いてあるのでわかりにくいですが、殺傷や損傷が含まれています。

  • 捕獲等: 捕獲又は殺傷すること(2-7)
  • 採取等: 採取又は損傷すること(8)

第二章 基本指針等(3〜7条)

保護と管理は、鳥獣保護管理事業を中心とする複数の計画によって行われています。希少な動物、減っている動物、増加している動物(農作物に被害を与えている動物)などによって、計画が作られ、実施されます。

  • 鳥獣保護管理事業: 鳥獣の保護及び管理を図るための事業のこと。環境大臣が、農林水産大臣・中央環境審議会と協議して、基本指針を定めます(3-1)
  • 鳥獣保護管理事業計画: 鳥獣の保護及び管理を図るための事業の実施計画のこと。基本指針をもとに、都道府県知事が定めます(4)
  • 希少鳥獣保護計画: 希少鳥獣を保護するための計画。環境大臣が定めます(7の3)
  • 特定希少鳥獣管理計画: 特定希少鳥獣を管理するための計画。環境大臣が定めます(7の4)
  • 第一種特定鳥獣保護計画: 減少している鳥獣(第一種特定鳥獣)を保護する計画。都道府県知事が定めます(7-1)
  • 第二種特定鳥獣管理計画: 増加している鳥獣(第二種特定鳥獣)を管理する計画。都道府県知事が定めます(7の2)
    • 指定管理鳥獣捕獲等事業: 指定管理鳥獣の捕獲等をする事業(7の2-2-5)

第三・四章  鳥獣保護管理事業・狩猟

ここでは、第三章 鳥獣保護管理事業(8〜34条)と、第四章 狩猟(35〜74条)をまとめて記述します。

野生動物の数を(人間にとって)一定にするために、増やしたり(保護)減らしたり(管理)するために、狩猟を行います。また、法律に書いていないことはやってもいいので、娯楽目的の狩猟や、自由猟法というあらゆる暴力行為や残虐な殺害ができてしまう狩猟も可能になってしまいます。

原則禁止、例外多数

原則: 捕獲・殺害・採取・損傷は原則禁止

原則的に、野生の鳥と哺乳類(鳥獣)の、捕獲・殺害・採取・損傷(捕獲等・採取等)は禁じられています。(8)

但し、例外が多すぎて多数の鳥獣が遊びや駆除で殺されています。

例外:捕獲・殺害・採取・損傷をして良い場合

捕獲・殺害・採取・損傷(捕獲等・採取等)をして良い場合は以下です(8〜13)

  • 鳥獣の保護(生息数の増加を目的とする場合)(8)
  • 鳥獣の管理(生息数の減少を目的とする場合)(8)
  • 学術研究(9)
  • その他環境省で定める目的(施行規則 第五条)(9)
    • 博物館、動物園その他これに類する施設における展示
    • 愛玩のための飼養
    • 養殖している鳥類の過度の近親交配の防止
    • 鵜飼漁業への利用
    • 伝統的な祭礼行事等への利用
    • 前各号に掲げるもののほか公益上の必要があると認められる目的
  • 法定猟法以外の猟法(11-2-イ)
  • 私有地(11-2-ロ)
  • 農業又は林業の事業活動上やむを得ない場合(13)(施行規則 12)
  • 鳥獣保護管理法が適用されない場合(80-1)

狩猟の概要

狩猟の種類・免許・猟具
  • 法定猟法: 環境省令で定める銃器、わな、網(一般的に法定猟具と呼ばれる)を使用した猟法(2-6)。狩猟免許は、4種類です。
    • 銃猟(38-1)(施行規則 2-1)
      • 散弾銃、ライフル銃、ハーフライフル銃(装薬銃)
        第一種銃猟免許(空気銃、ガス銃も使える)(39-4)
      • 空気銃、ガス銃
        第二種銃猟免許
    • わな猟
      • くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわな(施行規則 2-3)

わな猟免許

  • 網猟
    • むそう網、はり網、つき網、なげ網(施行規則 2-2)
      網猟免許
  • このうち銃器とわなは、特定猟具と呼ばれます。(35)(施行規則 41-2)
  • 法定猟法以外の猟法: 一般的に自由猟法と呼ばれています。法定猟具を使用しない猟法です。(11-2-イ)
    • 使用する猟具は、スリングショット、スリングライフル、ペレットクロスボウ、ブーメラン、鷹、ナイフ、槍、投石、バット、 素手などです。
    • 狩猟してよい対象は、狩猟鳥獣のみです。
  • 制限・禁止されている猟法
    • 環境大臣が禁止する猟法: 動いている飛行機や自動車からの銃猟等(12-1-3)(施行規則10-第三項
    • 危険猟法: 爆発物、劇薬、毒薬を使用する猟法、その他環境省令で定める猟法(据銃、陥穽、その他人の生命又は身体に重大な危害を及ぼすおそれがあるわな)(36)(施行規則 45)
    • 指定猟法: 鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがある猟法(15)
    • 夜間銃猟: 日没〜日の出の間に行う猟(14の2-2-5)
    • 麻酔銃猟: 麻酔銃を使用した鳥獣の捕獲等(38-2)
  • 使用禁止猟具: かすみ網(16-1)(施行規則 17)
狩猟区域

狩猟可能区域(狩猟ができる区域)は、狩猟が禁止されている区域以外すべてです。狩猟が禁止されている区域とは、鳥獣保護区、休猟区、公道などです。
狩猟をする際は、鳥獣保護区等位置図(通称 ハンターマップ)を見て、狩猟が禁止されていない区域を探し、狩猟をします。
《参照》長野県 鳥獣保護区等位置図

[基本的に猟が可能な場所]

  • 狩猟可能区域: 狩猟ができる区域(11)。猟場(法律用語でない)
  • 猟区: 管理者(国・地方自治体・猟友会など)がルールを設けて猟をさせる区域です。「一般猟区」「放鳥獣猟区」の2種類があります(68-1)
    • 一般猟区: 放鳥獣猟区以外の猟区(法律用語でない)
    • 放鳥獣猟区: 人工的に繁殖させた鳥獣を放ち、猟を行う区域(68-4)

制限・禁止されている区域]

  • 鳥獣保護区: 鳥獣の保護を図るための区域(28)
    • 国指定鳥獣保護区: 環境大臣が設定する国際的・全国的な鳥獣保護区(28の2)
    • 都道府県指定鳥獣保護区: 都道府県知事が設定する各都道府県内の鳥獣保護区(28の2)
  • 特別保護地区: 鳥獣保護区の区域内で鳥獣の保護又は鳥獣の生息地の保護を図るため特に必要があると認める区域(29)
    • 国指定特別保護地区: 環境大臣が指定する特別保護地区
    • 都道府県指定特別保護地区: 都道府県知事が指定する特別保護地区
  • 特定猟具使用制限区域: 特定猟具の使用が制限された区域(種類ごとに設定される)(35-1)
  • 特定猟具使用禁止区域: 特定猟具(法定猟具のうち銃器とわな)の使用が禁止された区域(種類ごとに設定される)(35-1)
  • 休猟区: 狩猟鳥獣が減っているため、増加させる区域
    • 都道府県知事が指定する(34)
  • 環境省令で定める区域(施行規則 7-7)
    • 特別保護地区(自然公園法 21-1)
    • 原生自然環境保全地域(自然環境保全法 14-1)

狩猟期間
狩猟期間

狩猟期間は、北海道以外と、北海道で異なります。

[通常の狩猟期間]

狩猟可能区域

 10月15日〜4月15日(6ヶ月間)

 北海道 9月15日〜4月15日(7ヶ月間)(2-9)

[環境大臣が定める捕獲等(自由猟法など)の期間](11-2)(施行規則 9)

狩猟可能区域

 11月15日〜2月15日

 北海道 10月1日〜1月31日

[猟区内(管理者がルールを設けて猟をさせる区域)の期間]

 10月15日〜3月15日

 北海道 9月15日〜2月末日

[害獣駆除の期間]

鳥獣被害防止特別措置法に基づき、市町村ごとに狩猟期間が定められています。

被害が発生したら狩猟が許可される場合や、毎週日曜日に狩猟が許可されている場合など様々です。

狩猟時間

発砲が許可されているのは、日出から日没までです。(38)

時間外発砲で一年以下の懲役又は百万円以下の罰金が課されます。(83-4) ただし、認定鳥獣捕獲等事業者は許可を取れば夜間銃猟をすることができます。(14の2-8-2)

狩猟に関して与えられる役割

鳥獣保護員

環境省→都道府県→鳥獣保護員

環境管理→都道府県任命→担当区域→鳥獣保護員

狩猟者(ハンター)

狩猟者の目的は大きく3つに分けることができます。一つは有害鳥獣の駆除目的、娯楽目的、ビジネス・利益目的です。

法律で禁止されていないことは実行することができてしまいます。つまりルールに則ってさえいれば、目的は問われません。ですので、動物をただただ殺したいという娯楽目的で行う狩猟が行われます。(11)

猟友会の中でも、鳥獣被害を目的とする狩猟者と、娯楽目的の狩猟者の間には断絶がある会もあります。

鳥獣捕獲等事業者(18-2)
鳥獣の捕獲等をする事業を実施する法人。

認定鳥獣捕獲等事業者(9-8)(事業者覧

鳥獣捕獲等事業者のうち、3年以上の実績があり、訓練や安全管理などを行っている団体が申請することができ、都道府県知事が認定します。

ハンターの高齢化に伴い、事業者に駆除をさせる目的で作られた制度です。

猟友会・害獣駆除専門会社・ジビエ販売会社はもちろん、警備会社、建築会社、環境系の会社、ペット販売業者などが認定されています。

鳥獣被害対策実施隊

鳥獣被害防止特別措置法(9)に規定されています。市町村が設置するもので、対象鳥獣の捕獲等、防護柵の設置その他の被害防止計画に基づく被害防止施策を適切に実施するグループです。

対象鳥獣捕獲員

鳥獣被害防止特別措置法(9-7)に規定されています。鳥獣被害対策実施隊員であって主として対象鳥獣の捕獲等に従事することが見込まれる者として市町村長により指名・任命されたものです。

第五章 雑則(75〜82条)

省略

第六章 罰則(83〜89条)

主な罰則を列挙します。

一年以下の懲役又は百万円以下の罰金

  • 違法に、鳥獣の捕獲や鳥類の卵の採取等をした者(83-1)
  • 狩猟期間・狩猟区域を違反した者(83-2、83-2-2)
  • 違法な銃器の使用(38)
    • 住居集合地域等(住居が集合している地域又は広場、駅その他の多数の者の集合する場所):銃猟禁止(動物が住宅地に出てきた場合などの麻酔銃猟は、都道府県知事の許可が必要)
    • 弾丸の到達するおそれのある人、飼養若しくは保管されている動物、建物又は電車、自動車、船舶その他の乗物に向かって、銃猟をしてはならない。(38-3)等

動物愛護管理法は、青色の枠に属する動物全てを対象とします。そのうち緑色の枠に属する動物は「愛護動物」と呼ばれ、特に守られます。しかしながら、オレンジ色の枠に属する動物に関しては、人間からどのような扱いをされても罰則が無いため、実際は守られていません。ただし人に占有されている場合は、所有物を破壊したとする器物損壊罪や窃盗罪などで、罰せられることがあります。

動物の被害

殺害数

野生動物の殺害は、年々増加しています。理由は報奨金が支払われるようになったため、環境省等による狩猟者を増加させる施策、そして地方の若者に仕事がないこと、貧困化なども関係しているかもしれません。

イノシシ 55万5,800頭(2020)

ニホンジカ 52万6,100頭(2020)

ニホンザル 2万3,500頭(2018)

カモシカ 500頭(2018)

クマ類 7,200頭(2020)

カワウ 1万5,800頭(2018)[2] 

参考までに、2022年度の犬の殺処分は2,434頭、猫は9,472頭です。自分が好きな動物のみを守り助け、他の動物に関して無関心である理由は、動物に関する教育不足、産業によるプロパガンダ等があります。脊椎動物と一部の無脊椎動物は、意識を持ち、感情や感覚を持っていることが科学的にわかっています。犬猫を守り、他の動物を守らない合理的な理由はありません。動物種により、動物の扱いを変えることを「種差別」と呼びます。 [3] 

追いかけられる動物、罠にかかった動物の恐怖や苦痛

恐怖

もしあなたが、あなたを殺そうとする武装した集団に、逃げても逃げても追いかけられたら。その集団は、あなたや、あなたのパートナー、あるいは子供を追い詰め、殺し、皮を剥ぎ、食べようとしています。それが、動物が感じる恐怖です。

動物は自分を殺そうとしているこということを理解しています。動物の目線になって、これらの動画を見てみてください。

ヘリコプターで追われる https://youtu.be/EaEi6-Gxp1o?si=M7f7Kth0b_b31gRL

アザラシの撲殺 https://youtu.be/fUq7M7Y5uMg?si=Dn-uEDhihY-CttTQ

日本のイルカ猟 https://youtu.be/Ji22S1jPuBA?feature=shared

苦痛 〜動物の体に起きていること〜

動物たちは殺されるときばかりではなく、狩猟者に追われているときや、罠に捕まったときにも苦痛を感じています。捕獲性筋疾患(Capture Myopathy)とは、捕獲されるときに起こる筋肉の破壊、けいれん、こわばりなどです。ひどい場合は不可逆性の疾患となり、障害を抱えます。
自分を殺そうとする狩猟者への恐怖を抱きながら、筋肉の限界を超えて逃げるために起こります。

動物の殺され方

  • 刺殺:刃物で、心臓や頸動脈を刺して殺す

ニホンジカの刺殺
https://www.youtube.com/shorts/l_4SWz2d_Qs

  • 撲殺:棒や金属バットなどで殴り殺す

日本猿の撲殺(撲殺の瞬間は撮影されていない) ​​https://youtu.be/SzRd_FZY82A?si=uGV4KRnPqjuhW9CU

イノシシの撲殺(金属バット)

イノシシの銃殺(エアライフル) https://youtu.be/z42E4n7pBR4?si=1R-XvbpBXOdgrqe1

  • 窒息:罠ごと川や池などに沈め、窒息死させる。密閉された箱に動物を入れ、ガスを注入し窒息死させる。

アライグマを溺死させた人がいますが、出会い方が違ったら友達になれたかもしれません。

外来動物に起きている問題

アライグマ、キョン、カナダガン、カミツキガメ、ウシガエル、ブラックバスなど、外来動物に関しては、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)に規定があります。外来生物のうち、人間や環境に被害を及ぼす恐れのある動物は、特定外来生物と呼ばれます。特定外来生物等一覧

人間が持ち込みながら、外来生物、害獣と呼ばれ、殺され続けています。2024年09月03日、奄美大島のマングースの根絶宣言が発表されました。マングースたちが、人間によって多大な迷惑をかけられたことを忘れてはなりません。 [4] 

哺乳類の野生動物は4%しかいない

家畜、人間、野生動物の割合

2018年時点で、哺乳類のうち、野生動物はたった4%までに減りました。人間が36%、そして家畜動物が60%です。約12,000年前、人間が動物を家畜化する以前には、家畜動物は0%。ほとんどが野生動物だったでしょう。急激に人間と家畜動物が増えたのは、1970年以降です。地球規模で野生動物は、危機的に減少しています。

狩猟は、この野生動物の割合をさらに減らす行為であり、再考しなければなりません。野生動物の殺害を止め、殺害しない防除と共存に切り替えていくべきでしょう。

人間側の問題

人間側の問題を列挙します。

  • 暴力・殺害、冷酷さ・残酷さ、人間中心主義・種差別等の増長
  • 有害鳥獣駆除に報奨金が出るようになったことにより、様々な犯罪が起こっている。
    • 奈良県猟友会で、総額約2900万円の使途不明金発生
    • ハンターがイノシシなど有害鳥獣の捕獲数を水増しして、報償金をだまし取った疑い
    • 全国で、猟友会の会員が報償金目的で虚偽報告していたケースが発生 [5] 
  • 野良犬や野良猫も狩猟対象となっており、動物愛護家が狩猟対象から外すことを求める運動がある。この運動自体は行うべきだが、他の動物を無視した、人間中心主義、種差別に基づく運動でもある
  • 狩猟による事故は毎年100件前後起きており、10人前後が死亡している [6]  [7]  [8] 
  • ハンターによる銃殺事件は、ヤクザによる銃犯罪に次ぐ
  • 狩猟を存続させるために、大日本猟友会、族議員、狩猟産業などが複合体を形成している。
    • 2024年時点での大日本猟友会の会長は、岩手県選出の衆議委員議員、佐々木 洋平氏
    • 大日本猟友政治連盟という政治団体は、多数の政治家のパーティー券を購入している [9] 

あなたにできること

  • 狩猟や有害鳥獣駆除など動物の殺害を支持しない。動物を守ることを支持する
  • 国内の野生動物について勉強する(関連する本を読む、動画を見る、法律を読む等)
  • 野生動物に起きている問題について周りに伝える
  • 業界やマスメディアに意見を伝える
  • 違法な狩猟・捕獲・飼育を見つけたら、警察署に110番通報するか、都道府県庁の鳥獣保護担当部署に連絡する。(各都道府県の野生鳥獣担当機関連絡先リスト
  • すべての動物を根本的に守るため、ヴィーガンになる
  • 野生動物を守ろうとしている団体や、野生動物を殺さずに農作物被害を防ごうとしている団体等を支持し、協力し、支援する

動物を解放しよう。

《参照》

[1] 狩猟鳥獣一覧. 大日本猟友会. http://j-hunters.com/intro/target.php, (参照2024/09/27).

[2] 狩猟及び許可捕獲等による主な鳥獣の捕獲数. 環境省. https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs4/hokakusuu.pdf, (参照2024/10/26).

[3] 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況. 環境省. https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html, (参照2024/10/26).

[4] 奄美大島における特定外来生物フイリマングースの根絶の宣言について. 環境省. 2024/09/03. https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html, (参照2024/10/26).

[5] 田中淳夫. 獣害対策に猟友会は不向き?狩猟と有害駆除の違いを考える. Yahoo!ニュース. 2017/06/05. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9f3302fc41f125683232c9e62771861f090030bc, (参照2024/10/26).

[6] 狩猟により発生した事故件数. 鳥獣保護法「改正」を考えるネットワーク. https://www.asahi-net.or.jp/~zb4h-kskr/accident.htmf, (参照2024/10/26).

[7] 狩猟により発生した事故件数(H29-31). 環境省. https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs2/h29/H29-31.xls, (参照2024/10/26).

[8] 狩猟により発生した事故件数(H29-31). 環境省. https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs2/r01/R1-31.xls, (参照2024/10/26).

[9] 令和3年分収支報告書. 大日本猟友政治連盟. https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20221125/3149400013.pdf, (参照2024/10/26).

鳥獣保護管理法. e-Gov. https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000088.

鳥獣保護管理法施行規則. e-Gov. https://laws.e-gov.go.jp/law/414M60001000028.

他法令との関係. 環境省. https://www.pref.yamagata.jp/documents/29754/shiryo1-2.pdf, (参照 2024/09/29).

鳥獣被害の現状と対策について. 環境省. https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort5/effort5-1a/summary.pdf, (参照 2024/09/29).

鳥獣被害対策実施隊の概要. 農林水産省. https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/pdf/h2803_meguji_jissitai.pdf, (参照 2024/09/29).梶光一. 日本モデル」の提案. 第5回 人口縮小社会における野生動物管理のあり方の検討に関する委員会. https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/yaseidobutu/pdf/shiryo2405-4.pdf, (参照 2024/09/29).

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動物解放団体リブ編集部

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