自炊したヴィーガン料理の写真

ヴィーガン生活

ヴィーガンになったばかりの自炊初心者向け:食材の選び方から添加物の考え方のコツを解説!

  • 2024/11/30

ヴィーガンになると、自炊することが多くなります。この記事の筆者は、ヴィーガンになる以前は、フライパンで塩胡椒で焼く以外の料理はほとんどできませんでした。味噌汁を作ったこともありませんし、カレーも作れませんでした。レシピ本を見ても、「小さじ」が何を意味するかもわからず、「少々」や「適量」と書いてあると混乱に陥り、ただただ立ち尽くすだけでした。

そんな私がヴィーガンになり、カレーは世間的には簡単な料理だと扱われていることに衝撃を受けたところから、今ではスパイスからカレーを作るまでになりました。人が遊びに来たらささっとヴィーガン料理を作り、ヴィーガン、ノンヴィーガンに関わらず、美味しいと褒められます。

成人の中でも最も料理ができない部類から、結構料理ができる部類にまで育っていった経験を元に、ヴィーガンはどう自炊していけば良いかをお伝えします。

また、この記事は具体的な料理法については書いてありません。食材の選び方、避け方、注意点、微妙なケースなど、判断する際の基準、軸となる見方、考え方について書いてありますので、ご参考にしてください。

食材選び

植物性食材

食材は植物性のもの、穀物、豆、ナッツ、その他種子類、野菜、芋、キノコ、果物、海藻などです。

ヴィーガンであればよく聞かれる質問、「何を食べてるの?」と聞かれた場合、基本的に上のリストを伝えますが、人によっては「目がないもの」「自分で歩かないもの」「血が流れないもの」と伝えると、その理由まで直感的に理解してくれることもあります。

肉の代替食材

肉ありきの料理もあります。例えば、焼肉、牛丼、青椒肉絲、親子丼などです。ヴィーガンが長くなると気にならなくなるのですが、チャーハンやスパゲッティなど肉の食感が欲しい人もいるかと思います。

その場合、肉の代替食材を使います。

手間がかからず簡単に使えるのは、油揚げ。タンパク質も摂れるので一挙両得です。

そのまま使ってもいいですが下味にひと手間かけると美味しいのは、大豆ミート、おからこんにゃく、高野豆腐、水切りした豆腐、グルテンミート(セイタン)、テンペ、車麩などです。たとえば、戻した大豆ミートをタッパに入れ、醤油、生姜、ニンニク、胡椒などで味をつけておくと、唐揚げやチャーハンなどにビッタリです。

最近では、ネクストミーツ(Next Meats)、ビヨンドミート(Beyond Meat)、インポッシブルフーズ(Impossible Foods)、オムニポーク(OmniPork)、ヴィヴェラ(Vivera)、ミートレス・ファーム(Meatless Farm)などが、より肉に近い食材や味を追求した商品を発売して話題になりました。

日本企業では、動物産業であるハムやソーセージなど加工肉食品の会社など、食品大手が次々と代替肉の販売を始めています。ゼロミート、グリーンミート、ミラクルミート、オルタナティブミートなど、より料理に使いやすい代替肉が販売されています。

料理のほとんどはヴィーガンで作れる

植物性食材だけで、十二分においしく健康的な料理は作れます。そして、植物性食材と肉の代替食材を使えば、ノンヴィーガンの料理のほとんどは作れます。

中に肉を使っていなくても、気づかずに肉だと思い込んで食べる人もいます。そういう人であれば、わざわざ動物を傷つけてまで肉を食べる必要はありません。

加工食品

最近は、肉や魚の見た目、味、食感に似せた、植物性の加工食品が増えてきました。ソーセージやハム、チーズはもちろん、シーチキンやスクランブルエッグまで。

特にヨーロッパでその進化は目覚ましく、シャケの切り身、マグロの刺身まであります。スーパーの冷凍食品コーナーでは、ヴィーガン食品が一角を占めており、植物性ミルクもオーツやライスなどたくさんの種類があります。さらには、ヴィーガンの肉屋、ヴィーガンのチーズ屋さん、ヴィーガンスーパーさえあります。

加工食品の注意点

  • 動物性食材が入っている場合もあります
  • 健康的な食材かどうかは別の話です

調味料

筆者のこだわりで、またオススメなのですが、調味料は良いものを使うようにしています。調味料で料理の味は大きく変わりますし、良いものは少し高いですが、数百円〜1000円くらいの違いです。外食一食よりも安くて、持ちが良く、毎回の食事の味が上がりますのでコストパフォーマンスがとても高いと思います。

特に油は、皮膚やホルモンを作りますので、良いものを選ぶようにしています。

添加物

添加物は安全確認のために動物実験が行われており、2022/10/26現在で、831の添加物が許可されています。[1] [2] [3] ただし、法律上、動物実験が義務付けられているわけではないので、どのメーカーのどの添加物が、動物実験が行われたものかどうかを調べるには一つ一つ問い合わせなければなりません。全ての食品添加物に関して動物実験の有無を調べることは、忙しい現代社会においては現実的に難しいでしょう。

添加物が入っている食品を食べるかどうかは、それぞれの人の判断です。食べる人もいれば、すべて避ける人もいるでしょう。ヴィーガンの定義には、「可能な限り、動物搾取をすべきではない」とありますので、どちらの判断も許容されていると考えられます。(*明らかに肉や魚などが入っている場合、食品表示に記載されている場合などは、避けることは可能)

注意点

メーカーは、ヴィーガンやプラントベースが倫理的であり、購入の選択基準であることを知っています。ですので、ヴィーガンウォッシュ、プラントベースウォッシュとも言える戦略を取る場合がありますので、注意点が必要です。以下のような場合です。

  • 「植物性」「罪無き」「グリーン」といった商品名や宣伝文句を使用していても、卵白や卵殻、乳、魚由来の成分など動物性食品が入っている
  • ヴィーガンであっても健康的な食材かどうかは別の話。大量の添加物が使用されている場合もある
  • 培養肉は、動物の細胞や、子牛の血などを使っているため、ヴィーガン食材ではありません。培養肉は、ノンヴィーガンのための選択肢です
  • 一部、昆虫食はヴィーガンである、としている場合があります。ヴィーガンの定義は「人間は動物を搾取しないで生きるべきだ」であり、昆虫は動物です。

手首の運動で動物を避ける

動物を食べてしまうミスをしないためには、「手首の運動」が必要です。手首の運動はどなたかが言っていた言葉で、印象的なのでそのまま使わせていただいています。

手首の運動」は、食品を手に取った際に、手首を返し、裏に貼ってある「食品表示」を見ることです。

手首の運動をして、動物性食材や、人によっては添加物を避けることで、「可能な限り」動物を食べることを防ぐことができます。

添加物を避けることは良いことだと思います。少なくとも悪いことではありません。それまで許可されていた添加物に毒性が発見され、許可が取り消されることもあります。現在許可されているからと言って、安全だとは言えないということになります。

食品表示を見て、動物由来の食品、可能な限り添加物が入っていないものを選ぶと良いでしょう。

その他、動物が使われている可能性についてどう考えるか

例えば、以下のようなケースです。ケースごとにヴィーガン(のうちの一定の割合の人)はどう考えるかも併せて記載します。

  • 野菜であっても、肥料に牛糞や鶏糞など動物性肥料が使われている可能性がある場合 → できればヴィーガンの農家が作った、植物性肥料か肥料を使っていない野菜を選びたい
  • 野菜や植物食材を生産する過程で、農薬や除草剤などで昆虫が殺される、川や海に流れ込むことで動物の身体を汚染する → できれば、無農薬、自然栽培で作られた食品を選びたい
  • 生産者や販売店の人がヴィーガンでない場合 → 支払ったお金で動物性食品を買われることで、間接的に動物搾取をしてしまうことを避けたい

しかし現実的には、これらを全て避けようと思ったら、一般の家では支払うのが難しいほど高額になり、日常生活に支障を来すほどの労力がかかり、また、輸送における環境負荷や化石燃料の消費もあります。

ゆえに、何をどこまで選ぶかは、個人や家庭の判断になります。

参考までに、筆者が個人的にどう考えているかを共有しますと、

  • あらゆる動物性食品や間接的に動物搾取を行っている食品を一つ一つ調べて避けるのは時間もコストもかかりすぎる。また、その時間をかけて自分だけが動物性食品を避けることを完璧にするに過ぎない
  • そもそも、動物利用が当たり前の社会だからこのような状況になっている
  • その時間やコストを、動物搾取、動物解放活動に当てることによって、人々の知識と意識を変えることに集中させる
  • 動物を搾取しない社会への変革を早め、動物を搾取しない食品や商品を増やす。かけた時間やコストは、自分だけではなく、社会全体に波及する
  • そしてそちらの方が、何よりも、動物の犠牲を明確に減らすことができる

と考えています。

みなさんそれぞれの考え方や方法論があっていいと思いますし、より良い考え方、つまりより動物の犠牲を減らすために効果的な考え方や方法論に出会ったら、そちらを採用すれば良いでしょう。

参考:ヴィーガンレシピサイト

ヴィーガン子育て https://vegan-kosodate.jp/recip

みっちゃんのヴィーガンクッキング Vegan Cooking https://www.youtube.com/@micchan-vegan-cooking

TOKYO VEG LIFE https://www.youtube.com/@TOKYOVEGLIFE

V-cook https://vcook.jp/

VEGAN’S LIFE https://vegans-life.jp/recipe

動物を解放しよう。

《参照》

[1] 食品添加物の指定及び使用基準改正要請資料作成に関する手引. 厚生労働省. 2014/09. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000061173.pdf, (参照:2024/11/10).

[2] 食品添加物の使用基準と成分規格. 東京都保健医療局. https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/shokuten/shokuten4.html, (参照:2024/11/10).

[3] よくある質問(消費者向け). 厚生労働省. 2021/02/03. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000061173.pdf, (参照:2024/11/10).

この記事を書いたライター

リブ_シンボル

動物解放団体リブ編集部

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