娯楽に使われている動物

バク転をし続けるホッキョクグマ・50年以上監禁されているゾウ:日本平動物園【調査報告】

  • 2020/06/07
  • 2024/04/04

この記事は、NPO法人動物解放団体リブによる、「日本一周!動物園水族館調査」のレポート記事のうちの一つです。

静岡市立日本平動物園は、昭和44年8月1日に123種371点もの動物を捕まえて開園した、歴史の長い監禁施設です。

この施設では、ホッキョクグマがバク転をし続けるという異常行動をし続けていたり、51年間もの長い間、一歩も柵から出たことのないゾウがいたりと、人知れず苦しむ動物たちがいました。

「バク転」をするホッキョクグマ、ロッシー

これまで見た多くのホッキョクグマの中でも、ロッシーは最もひどい状況でした。

ロッシーは、頭をぐりんと後ろに回し、水の中でそのままバク転をするような動きをしていました。

開園から10分後・20分後・1時間後、、、そして閉館時間まで同じ行動を繰り返しています。

動物園で起きている異常行動とは

ロッシーのこの行動は、「異常行動」と呼ばれる、精神的な病気です。

もともと住んでいた場所から引き離され、家族や友人からも引き離され、狭い空間に閉じ込められ、四六時中人間に見られ続けることで、動物たちは非常に大きなストレスを抱えます。

それが行動に現れたものが「異常行動」です。

異常行動の中でも、同じ動きを繰り返す行動は「常同行動」と言います。

この場所を1,2回通り過ぎる利用客は、「かわいい」「楽しそう」と思うだけの方が多いと思います。

動物に心があるということ、動物達がどんな気持ちなのか、そんなことを考える機会も、教えてもらう機会もなかったからです。

しかし、動物たちは明確に感情や意思があり、悲しみや苦しみも感じます。

私たちは、人間のために動物を利用する社会から脱しなければなりません。

ロッシーはすでに限界までボロボロになっています。

異常行動のことを利用客には伝えない動物園

動物園では、動物たちの異常行動を伝えている所は、日本全国の施設283箇所を回った中でも、1施設のみでした。

では、その1施設以外の動物園や水族館は、動物たちが異常行動をしていることを知らないのでしょうか?

そんな事はあり得ません。

逆にこのような基本的な事も知らずに動物を飼育(監禁)しているとなれば、それはそれで大問題です。

では、伝えない理由は何でしょうか?

もし、動物たちが苦しんでいると伝えてしまえば、動物がかわいそうだと声を上げる人が次々出てしまい、施設が儲からなくなってしまうからです。

異常行動を伝えないだけでなく、園内放送で例えば「壁にぶつかり続けているのは、みんなを驚かせたいからです!」などという嘘をつく施設までありました。動物を心配する利用客に疑念を抱かせないようにするためです。

つまり、明確にすると、動物園は動物たちが苦しんでいることを百も承知で、動物たちを見世物にするビジネスを維持し続けているのです。

死んだ後も剥製として見世物にされる

動物園でよく見かける動物の剥製。

人間に捕らえられ、自由を奪われ、命を奪われた後もなお、皮膚を剥がされ展示され続ける動物たちの姿は、尊厳とはかけ離れたものです。

人間と同じく、非ヒト動物も尊厳が守られるべき存在です。

つまり、人間から利用されたり、搾取されたりするべきではないということです。

歴史を振り返れば、奴隷や女性など、かつて権利が認められなかった存在はたくさんいました。彼ら彼女らの権利拡大は、過激な思想として反対意見も多かったのです。

今、動物の権利は過激だと感じる人が多いかもしれません。しかし、時代とともに動物への理解が深まり、権利が拡張されることは間違いありません。

その変化を担うのは、私たち一人一人の意識と行動です。動物園における動物の展示(監禁)についても、倫理的な視点から見直しを進めていくべきなのです。

50年以上、檻に閉じ込められているゾウたち

ゾウが2名いました。どちらも女性のゾウで、名前はダンボとシャンティです。

(※追記:シャンティは2022年5月5日に亡くなりました。たった1歳でインドから連れてこられ、51年もの長い間この場所で飼育(監禁)されました。)

ゾウは心も体も繊細で、女性のゾウは家族や親戚と共に、広大な土地を自由に歩き暮らしています。

一方、動物園のゾウたちは狭い空間に閉じ込められ、鋭いフックで体を刺され、命令されたり、人に見られ続けたりして、心を病んでしまいます。

ゾウの心はとても繊細

ダンボは1966年生まれ(推定)の女性です。

ゾウは非常に社会的で、複雑な感情を持ち、家族や親戚と一緒に暮らし、様々な音やジェスチャーなどでコミュニケーションをとります。

また、行動範囲も非常に広く、一日に120km以上も移動することもあります。

そんなゾウが、もともと住んでいた場所から引き離され、家族や友人と引き離され、狭くかたいコンクリートの施設に閉じ込められ、人に見られ続けることで精神を病んでしまいます。

複雑な感情を持つ分、精神を病んだゾウは異常行動をすることが多いです。

心を病むだけでなく、コンクリートの地面によって足や関節なども傷めてしまいます。

痛みと恐怖で支配する道具「ブルフック」

「ブルフック」を使用し、ショーまがいのことも行っていました。

ブルフックとは、動物園の象使いが、ゾウの調教に使用する道具のこと。

長い棒の一端に、金属でできた鋭いフックが取り付けられています。

この鋭利なフックでゾウの敏感な皮膚を刺すことで、ゾウを恐怖で支配し、思い通りの動きを行わせます。

ゾウの皮膚は分厚さゆえに鈍感だと思われがちですが、実際は非常に繊細です。体についたハエを全て認識できるほどに敏感なのです。

約50種類以上の動物が閉じ込められ、苦しんでいる

動物のために、あなたにできること

・動物園などの動物を利用する施設に行かない

・周りの人にこの記事をシェアして、問題を伝える

動物利用問題をさらに学ぶ

・施設に対して意見を伝える

・リブへ支援をして、動物を解放するための活動を加速させる

日本一周 動物園水族館調査とは?

日本の動物園・水族館は、動物たちにとって良いところなのか、悪いところなのか。

様々な意見はあるものの、当初、日本全国の施設が実際にどのような状況なのかという網羅的な調査はありませんでした。

その課題を踏まえ、2018年から2019年、述べ9ヶ月に渡って、日本全国ほぼ全ての動物園と水族館、計283施設を周る調査プロジェクト「日本一周!動物園水族館調査」を行いました。

その結果、日本中で動物たちが精神病の一種である「異常行動」をしていることが確認され、動物たちが監禁下で人知れず苦しみ続けているという実態が明らかになったのです。

私たちが目指す社会

私たちのビジョンは、人間による全ての動物に対する抑圧や搾取がない、緑豊かで平和な地球。

動物たちは解放され、自然の中で自由に生き、愛し合い、子どもを育てています。

人類は動物たちをやさしく見守っています。

このような社会を実現するため、私たちは動物利用問題の解決に努めます。

動物を閉じ込めるのはもうやめよう。

感情もあり、苦痛も感じる動物を閉じ込め、見世物にすることは、動物へ耐え難い苦しみの生き地獄を強要することになります。

そして実際動物園は、動物への共感を呼び起こすどころか、動物利用を肯定する施設になっています。

本当に動物を尊重するならば、動物を捕獲・監禁しないべきです。

一人ひとりの意識を変え、真に動物に優しい社会を作りましょう。

<補足情報>

〔情報〕
種類:行政
所有:静岡市
運営者:〃
JAZA:〇

〔リブ情報〕
調査日:2019年4月11日
リブ調査ページ:https://animal-liberator.net/animal-liberator/190411-269-nihondair
写真:https://photos.app.goo.gl/wAWenLGgPg8hC7848
動画:https://www.youtube.com/playlist?list=PLQT1RmSZIgCpAfvm4qoX78LftcMrHjNts

この記事を書いたライター

リブ_シンボル

動物解放団体リブ編集部

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