食に使われている動物

【肉牛の一生】美味しい牛肉の裏で、牛たちに起きている凄惨な事実

  • 2024/05/08
  • 2024/06/02

知っていますか?

牛は、親子の愛情が深く、草地を駆けまわったり音楽を聴いて楽しむのが大好きです。

そんな牛たちは悲しいことに、牛肉のために苦しんでいます。

今回の記事では、本来の牛の生態、牛肉の消費が牛に与える問題、代替案についてお伝えします。

牛について

牛は大きな体に反して、とてもシャイで臆病です。牧草地などへ行って、コミュニケーションしようとすると、かなり遠くで知らないふりをして草をはんでいます。しかし、牛は常に私に注意を払い、信頼できる人か、優しい人か確かめようとしています。10分経つといつの間にかちょっと近づいてきています。20分経つと5mくらいまで近づき、30分も経つとすぐそばにいて、鼻を近づけてきて、触らせてくれることもあります。もっと心を許してくれれば、ざらざらの下で手を舐めてくれます。これは牛の親愛の情を表す非言語コミュニケーションです。

ここでは、牛たちの本当の姿について知っていきましょう。

牛の愛情・共感力・社会性

お母さん牛の子供への愛情は強く、子供はお母さんが大好きです。より自然界に近い形で出産する時、お母さん牛は家(巣)を作り、安全な環境で子供を産みます。子供を産むと、体全体を舐め、心を尽くして子供の世話をします。

牛の感情は豊かで、他の牛に共感もします。落ち込んだ牛の近くにいる牛はコルチゾール(ストレスホルモン)の数値が高まり、食事量が減ることもあります。

牛の感情を知るヒントの一つは、牛の目を見ることです。黒目が多くなる程、牛は気分が良い時です。白目が多くなる程、恐怖や不安を感じています。

そして、牛たちは、複雑な社会性を持っており、仲間といることを好みます。他の牛との接触の阻害や長期間監禁されるなどすると、うつ病になる可能性もあります。

また、牛は家族や仲間が死ぬと、涙を流して悲しむことが知られています。

遊びが大好き

また、牛は遊び好きで好奇心も旺盛です。近くに行くと、興味津々でこちらを見て、遊ぼうと誘ってくることもあります。

ボールで遊ぶ牛

雪の中で遊ぶ牛

牛の知性

牛は様々なタスクを学習し、また、他の牛の行動を見て学習することができます。そうした学習を長期的に記憶することもできます。

井戸のレバーを自分で上げ下げして水を飲む牛

牛の個性とコミュニケーション

牛は多様な個性を持っており、臆病な牛もいれば、攻撃的な牛、優しい牛もいれば、優しくない牛もいます。人間も同じですね。

社会的な動物でもあり、さまざまな声や行動でコミュニケーションをとります。お互いを舐め合って慰めたりケアしたり、痒いところを掻いてあげたりします。

牛と私たち人間のコミュニケーションは、非言語で行われます。顔や体をすり付け、うずめ、リラックスします。

音楽を楽しむ

また、牛たちは音楽が大好きです。

人間が楽器を弾いていると、遠くから牛たちが現れ、走ってきて、音楽に耳を傾けます。

牛たちが音楽を聴く動画はにも沢山あります。

肉牛産業で起きている問題

牛の一部は、肉食のために繁殖させられていき、「肉牛」と呼ばれるようになりました。牛乳を摂るために品種改変された牛は「乳牛」と呼ばれています。

現代人にとって、牛肉を食べることは当たり前に思うかもしれません。しかし、たった90年ほど前にはほとんど食べられていませんでした。

日本人の牛肉消費量は、今や一人当たり年間6kgの消費量。その裏で牛たちは悲惨な一生を送り、年間9万3741頭の牛の命が断たれています。

近年では、さらに効率よく「肉」を生産するために、ゲノム編集を用いた筋肉増強牛などもつくられており、動物たちは抵抗するすべもなく自身の体を改造されています。

以下では、肉として扱われる牛たちがどんな一生を過ごすのかをご紹介します。

生後1~2日後に我が子と引き離される母牛

妊娠は基本的に人工受精で行われるため、母や子は父が誰かすらも知ることができません。

約10か月の妊娠期間を経てやっとの思いで出産した後も、生後たった1〜2日後に、母牛は子どもと引き離されることも珍しくありません。

理由は、母牛から子どもを引き離すことで発情を早期化させ、次の子牛をより早く産ませるためです。

子どもへの愛情が深い母牛は、子どもを求めて泣き叫びます。

なお、妊娠中の母牛のお腹から、胎児を引きずり出して剥ぎ取った皮を、ハラコ(腹子)と呼びます。財布やスツール、ラグなどに使われていますが、実際の映像もあり、凄惨なものです。

「高級肉」の裏側で失明する子牛

乳牛の子牛の肉はヴィールと呼ばれ、高級品とされます。子牛は、生まれて数日から数十日、長くて1年で殺されます。消費者が求める柔らかい「肉」を作るため、子牛が動けないように狭い箱で育成します。さらに、鉄分やビタミンAなどの必須栄養素を制限し、固形物を食べさせません。ビタミンA欠乏により失明する子牛もいます。当然病気になりやすいので、抗生物質を与えられます。生まれてきてこのような体験をし、そして殺されます。

無麻酔での激痛を伴う処置

子牛は、管理しやすくするためや、肉質を柔らかくするためなどの理由で、麻酔なしでさまざまな激痛を伴う処置を受けます。

耳標

牛は管理のために個別の番号を付けられており、耳標装着器で耳標をつけられます。この時、麻酔なしで耳に穴を開けられるため、子牛は痛みに苦しみます。

除角

出典: Meat and Livestock Australia

牛たちは、人や他の牛に頭突きをした際に怪我を防ぐためという理由で、角を切断されます。

牛はウシ科の動物であり、角には神経や血管があります。神経が詰まっている角を断角器などで切られるため、牛は激痛に襲われ、失神し、死んでしまう牛もいます。切った角の根本からは血が溢れますので、焼きゴテで止血する場合もあり、牛は更なる苦痛に襲われます。肉牛に対して、日本の79.4%の農家でこれが無麻酔で行われるのです。切られた後は、治癒するまで血が滲み、サシバエがたかり、さらなる痛みや痒みを感じます。

除角跡にサシバエがたかっている

去勢

肉牛産業では一般的に、牛を大人しくさせたり、肉質を柔らかくするために生後3から4ヵ月に去勢が行われます。

まずは暴れないようにロープで縛られたり、鎮静剤が打たれます。そして、陰嚢をナイフで切り、中の精巣を切断・除去する方法(観血去勢法)や、強い輪ゴムを陰嚢の根元に巻きつかせ、壊死させ、自然に落とさせるというような方法(ゴム去勢法)が行われます。他にも陰嚢の根元を数十回ひねってちぎる方法などが行われています。

これらの行為がほとんどの場合無麻酔で行われるため、子牛は非常に痛みを感じます。出血、化膿、感染症感染など様々な問題が起き、去勢後も子牛は苦痛を感じ、食欲が低下します。

自分の糞尿がこびりつき、ストレスで異常行動をする牛

多くの牛は狭い牛舎に詰め込まれ、自分の糞尿の上で寝食を行います。その糞尿は体にこびりつき、農家からは「ヨロイ」と言われます。鎧のように固く、金ブラシでガシガシと取ろうとすると牛が血だらけになるほどです。

また、糞尿による強烈な悪臭を絶えず吸うことを余儀なくされ、呼吸器疾患に陥る場合もあります。

それだけでなく、母親は子どもを産むたびに引き離される、糞尿の上での生活、作業員からの虐待、病気や怪我などから、牛たちは身体はもちろん、心も病みます。それによって牛たちはしばしば「異常行動」をします。

牛の典型的な異常行動は、舌遊び(舌回し)、柵を舐め続ける、無気力になる、攻撃性の高まり、食べ物を投げるなどです。

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高カロリーな飼料で早く太らされ、霜降り肉のために失明する牛

本来牛は草を食べますが、肉牛産業においては効率よく太らせるために濃厚飼料を食べさせます。それによって胃がガスで膨れ、肺が圧迫されて呼吸困難・窒息死する場合があります。それだけでなく、胃が酸性に偏り、食欲の低下、病気にかかりやすくなる、軟便、脱水による目のくぼみ、さらに胃の壁に炎症が起き、細菌が肝臓に渡ることで肝膿瘍になることも珍しくありません。結果、死に至ることさえあります。

また、「霜降り肉」をつくるために、必須栄養素であるビタミンAの制限が行われています。これによって牛は失明したり、食事を食べられなくなるなどの様々な問題を抱えます。

病気に対処するため、牛たちは薬漬け

極めて不自然で不潔な環境下に置かれることで、牛たちは他にも様々な障害や病気に襲われます。先天異常、心疾患、てんかん、発熱、アレルギー、歩行異常、敗血症、様々な炎症、下痢、衰弱、胃腸炎、呼吸器障害、振戦、痙攣、流産、死産、精巣炎、眼球の突出など。

こういった状況をしのぐため、牛たちには大量の薬や抗生物質等が投与されます。また、出産などを促すためにホルモン剤も投与されます。直接投与されることもあれば、飼料に添加される場合もあります。

牛たちは薬漬けです。人間は、そのような牛たちの肉や乳を摂取しているということです。

耐え難い苦痛の末、たった2年半で屠殺

生まれた瞬間から心身ともに搾取され、苦痛に満ちた牛たちは、最終的には殺されてしまいます。

輸送の前は、食べ物も水も与えられません。狭いトラックに押し込まれ、熱暑や極寒など過酷な環境下で、長時間輸送されます。輸送中に死亡してしまう牛もいます。

屠殺場に入ると、牛は鼻輪に付けられたロープを機械で引っ張られ、体を回転させることができない狭い通路に押し込まれ、前に進むことしかできません。この行き着く先には、鉄板で囲まれた身動きできない箱があり、そこが牛の最後の場所です。

箱の上部は開いており、作業員が屠畜銃(キャプティブボルト)で、気絶させます。典型的な屠殺銃は火薬を使い、弾丸やボルトを牛の脳に撃ち込むものです。

撃たれた瞬間、あれほど大きな牛は一瞬で地面に倒れます。

映像はこちら

屠殺場では、大人しく殺される牛もいれば、怯え暴れる牛もいます。屠殺される時に、恐怖と不安で涙を流して泣く牛もいます。

本来の牛の寿命は、15〜20年程度。最長48歳9か月生きた牛もいます。しかし、畜産業において牛はわずか2歳半程度で殺されます。

環境に与える影響

牛の飼育による、土壌汚染、水質汚染、薬剤耐性菌の流出など、様々な環境汚染が起こっています。

特に、牛のゲップや排泄物から、メタンなどの温室効果ガスが発生していることは広く知られてきました。また、牛の放牧地や飼料を作るために、熱帯雨林が人為的に焼かれ、温暖化の加速に貢献するのはもちろん、貴重な動植物を破壊する原因となっています。こういった畜産業の行為を批判し、改善させようとする活動家が殺害される事件すら起こっています。2009年時点で、過去20年間でなんと1,100人以上の活動家らが殺されています。動物産業の利益のために動物、人間、環境が犠牲となっています。

あなたにできること

私たちの消費によって、牛たちは、今この瞬間も苦しんでいます。そしてこれを続ければ、新たな子牛たちが産まされ、残酷な目に遭い続けます。状況を変えるためには、牛たちを苦しませない、新たな生活に転換する必要があります。

1.牛を使わない食事にシフトする

例えば「牛丼 ヴィーガン」「すき焼き ヴィーガン」という検索ワードで探すと、様々な牛を使わないレシピがヒットします。

また、牛肉に似たような代替肉なども販売されるようになりました。今後、動物に優しい生活をする人が増えることにより、牛の代替製品は増加し、牛を使わない料理を作るのはどんどん楽に、楽しくなっていくでしょう。

2.ヴィーガンになる

ヴィーガンとは、可能な限り動物を使わない生活をする人のこと。牛はもちろん、他の動物にもやさしい生き方にシフトすることができます。ヴィーガンへのシフトは、常識や食生活などを劇的に変えることであり、人によっては難しいと感じるかもしれません。栄養や人付き合いなど様々な工夫も必要になってきます。(でも、数週間~数か月で慣れます。そして、やる価値があります。)

しかし、ヴィーガンになることは動物を可能な限り利用しない人生を生きることであり、それはあなたの心や体にもポジティブな影響をもたらす、素晴らしい選択です。

3.問題を周りに伝える

この記事で知ったことを周りの人に伝え、牛の利用について考えるきっかけを提供してください。

また、リブでは動物の生態や、利用問題を分かりやすく伝えるリーフレットをお配りしています。ぜひご活用ください。

リーフレットはこちらから 

4.問題をさらに学び、考える

鶏の問題を始め、様々な動物たちが、人間によって苦しんでいます。

しかし、その実態・問題点についてはほとんど知られていないと同時に、問題は非常に大きく複雑です。

動物を利用する既存の習慣を批判的に見直す為には、問題をさらに学び、考える必要があります。

5.リブへの寄付を通して、動物を守る活動を支援する

私達は、動物解放をゴールとして、「知識と共感で動物解放を早める」というスローガンのもと、日本に適した伝え方を重要視した活動をしています。

私達は国や行政からの補助金は一切なく、動物を守りたいと願う市民による貴重なご寄付で活動をしています。ご支援があれば、動物解放に向けた動物利用問題の調査活動、啓発活動、教育事業、ヴィーガンコミュニティ事業などをさらに展開することができます。

#動物を解放しよう

この記事を書いたライター

リブ_シンボル

動物解放団体リブ編集部

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