娯楽に使われている動物

のとじま水族館のイルカショーは虐待の舞台|異常行動を起こすイルカたち

  • 2019/12/13
  • 2025/02/22

この記事は動物解放団体リブによる、動物目線で動物園や水族館がどのような状況なのかを調べた「日本一周!動物園水族館調査」のレポート記事のうちの一つです。

のとじま水族館は石川県にある、カマイルカに特化した監禁施設です。

日本中の水族館で、年老いたイルカたちが飼い殺されているのはご存知でしょうか。

人目につきにくい水槽で、ひっそりと監禁されています。

監禁されている多くのイルカは、当然ながら異常行動に陥っています。

華やかな見世物のイルカショーとは違う角度から、のとじま水族館を見てみましょう。

カマイルカの異常行動

異常行動:カマイルカ ただ浮いている(のとじま水族館)|動物解放団体リブ

動きません。

ただずっと、静かに、浮かんでいるだけでした。

これは野生のイルカには見られない行動です。

イルカの異常行動の一つに”ただ浮いている”という行動があります。

自然から引き離され、狭い水槽に監禁された、精神的な苦しみの現れです。

調査中、ずっと壁に向かって動きはまったく見られませんでした。

完全に異常行動に陥っています。

もしかしたら、もう年をとっているのかもしれません。

日本中でショーに使えなくなった年老いたイルカが飼い殺されています。

こちらはイルカトレーニングセンターの内部です。

キレイとは言えない場所で、ショーをするための訓練を強制させられます。

イルカを吊り上げるためのウィンチ。

イルカタンクの周りには必ずあります。

一度釣り上げられたら、もう二度と広い海には戻ることができません。

イルカショーはイルカを苦しめる

イルカはとても賢く身体能力の素晴らしい動物です。

脳の発達度を示す目安の一つに「脳化指数」というのがあるのですが、イルカの脳化指数は、人間に次ぐ2番目に高いと言われています。

つまりイルカは、比較的高い知能を持っています。

そんな賢いイルカを苦しませている理由の一つ。

”イルカ好きの観客たちがイルカショーを楽しむ”です。

イルカトレーナーとイルカは、信頼関係のある友人ではありません。

奴隷使用人と、奴隷の関係です。

友人であったら、自由を奪い、食べ物を支配し、ショーをさせるでしょうか。

奴隷使用人は、奴隷を使って生活を成り立たせているのです。

施設に監禁されているイルカは、人間が手を広げるとそこに口先を付けるように教育されています。

なぜなら、こうしないとご飯をもらえないからです。

人間の指示に従わないと、生きていけないからです。

そして、もっと残酷な行為は、遊び半分でイルカに指示を出す観客でしょう。

普通、口先を手につけると、食べ物がもらえますが、観客は食べ物を与えません。

ひとときの慰み者としてイルカを扱っていました。

水族館に監禁させられた時点で、イルカにとっては楽園ではなく地獄です。

  • 狭い水槽でしか泳げない苦痛
  • 薄汚れた水で過ごす環境
  • ショーをしないとご飯をもらえない
  • 家族とは一生会えず、死ぬまで飼い殺される

人間の娯楽のために、このような幸せそうなネーミングをつけて、イルカを閉じ込めています。

イルカプールは、海と一体化するような設計になっています。

”人間”は解放された、素敵な気分になるでしょう。

イルカにとっては違います。

関連記事:イルカ漁

ハラスメント体験や醜い展示方法

子供たちがイルカのふれあい体験に参加していました。

「ふれあい」というのは言葉だけで、実際は人間が好きなように動物の体を触る機会です。

人間にとっては、動物に直接触ることができる貴重な機会かもしれません。

しかし、動物にとっては違います。

動物たちは、自分の意思に関係なく、繰り返し捕まえられ、強く握りしめられ、足を引っ張られ、羽をむしられたりします。

インテリアに使われる魚たち

LEDで次々と色が変わっていく展示が最近の流行りなのでしょうか。

生き物をインテリアのように扱う水族館に不信感を感じてしまいます。

こちらの水槽の中には、水草も、流木も、岩も、砂さえありませんでした。

人間の視覚のためだけに作られた展示場です。

多くの観客は”美しい・素晴らしい・きれい”という感想を述べます。

しかし、本来は「これは美しい展示ではなく、極めて非倫理的で反自然で醜い展示である」と気付く必要があります。

それには教育が必要ですが、教育施設を名乗る水族館がこれを行っています。

水族館では、正しい動物教育を学ぶことはできません。

目玉になるジンベイザメを入手しようと躍起の水族館

のとじま水族館には、地球上最大の魚ジンベエザメも飼育されています。

日本の水族館は、イルカとともに、ジンベエザメを飼育しようと躍起になっています。

日本の監禁施設ではジンベイザメを監禁している施設は4ヶ所あります。

・のとじま水族館 (石川県)

・海遊館     (大阪府)

・かごしま水族館 (鹿児島県)

・美ら海水族館  (沖縄県)

大阪にある海遊館は、混獲したジンベエザメを解放しました。

研究用としてですが、立派な態度だと考えます。

京都で参加した動物園水族館関係者のシンポジウムでは、かごしま水族館の館長があらゆる手をつかってジンベエザメを入手しようとしている姿勢を、別の関係者が怒りを持って諌める場面もありました。

ジンベエザメを運ぶタンクです。

人間に捕まり、長時間狭い箱に閉じ込められたあとは、一生水槽の中での生活です。

人間の行動が、いかに残酷で自分勝手な行いであるかを私たちは理解していく必要があります。

そして、動物利用問題の解決にむけての行動に切り替えていくことが重要です。

宝くじの収益は、高齢化少子化対策・防災対策・公園整備・教育及び社会福祉施設の建設改修など、さまざまな使われ方があります。

良いことばかりではなく、日本中の動物園や水族館に寄付を募り、見世物として動物を監禁しているのです。

つまり、宝くじの購入は、知らず知らず動物の監禁に加担していることに繋がります。

宝くじといい、南京錠といい、自分たちの幸せだけを欲しがっていると、周りが見えなくなってしまいます。

動物たちの異常行動や劣悪な環境に視野を広げてみませんか?

私たちは、自分たちの娯楽のために動物を捕獲したり監禁したりするべきではありません。

日本一周 動物園水族館調査とは?

日本の動物園・水族館は、動物たちにとって良いところなのか、悪いところなのか。

様々な意見はあるものの、当初、日本全国の施設が実際にどのような状況なのかという網羅的な調査はありませんでした。

その課題を踏まえ、2018年から2019年、述べ9ヶ月に渡って、日本全国ほぼ全ての動物園と水族館、計283施設を周る調査プロジェクト「日本一周!動物園水族館調査」を行いました。

その結果、日本中で動物たちが精神病の一種である「異常行動」をしていることが確認され、動物たちが監禁下で人知れず苦しみ続けているという実態が明らかになったのです。

【まとめ】「日本一周!動物園水族館調査」全施設リスト

私たちが目指す社会

私たちのビジョンは、人間による全ての動物に対する抑圧や搾取がない、緑豊かで平和な地球。

動物たちは解放され、自然の中で自由に生き、愛し合い、子どもを育てています。

人類は動物たちをやさしく見守っています。

このような社会を実現するため、私たちは動物利用問題の解決に努めます。

監禁施設は閉鎖して、本当の楽園を作ってあげよう

本来は、大海原を家族と共に自由に泳ぎ回れることこそイルカの楽園と言えます。

しかし、のとじま水族館にあるイルカの楽園は、狭くて、薄汚れた水の中です。

水族館は、魚の自由を奪い、監禁された姿を楽しみ、殺し、食べることのできる施設であり、間違った動物教育を植え付け、人間を上位に立たせ、イルカのような知能のある動物を奴隷のように扱う場所です。

楽園とは程遠い監禁施設には足を運ばず、本当の動物たちの楽園を作ることこそが、これからの私たちが取り組むべき行いにしていきましょう。

リライト補足情報(2024年2月)

2024年1月1日に起きた能登半島地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。

そして、同じく被災して亡くなった、のとじま水族館の動物たちにもお悔やみ申し上げます。

地震の被害により、水をろ過する装置が停止するなどして、ジンベイザメのハチベエとハクは死亡しました。

翌月2月には、アドベンチャーワールド(和歌山県)に避難したカマイルカも死亡したそうです。

ストレスだったのでしょうか。

早く監禁施設から解放できなかったことが、本当に悔やまれます。

震災や災害などの緊急時に、優先順位がつけられるのはいつも人間です。

人命を蔑ろにするわけではありません。

ですが、これまで”愛されている動物たち”と謳っている動物園や水族館なのに、いざという時は助けてくれないのはなぜでしょう。

監禁し、閉じ込めなければ、助かった命です。

日本は災害大国です。

災害が起こった時に、逃げたくても逃げられないのが、監禁施設にいる動物たちということは分かりきっています。

動物園や水族館に行くという行動ひとつで、動物たちを苦しめる行為は続いてしまいます。

ですが、正しい知識と動物たちに寄り添った行動ができれば、日本中の動物園水族館に動物たちを解放するきっかけになります。

どうか、同じようなことが二度と起きないように、動物解放に向けて一緒に動物に優しい国を作っていきましょう。

あなたにできること

  • 問題をさらに学ぶ
  • 動物を利用する施設に行かない
  • 周りの人にもこの情報を伝える
  • 施設に対して意見を伝える
  • リブへ支援をして、動物を解放するための活動を加速させる

<補足情報>

〔情報〕

種類:行政

所有:石川県

運営者:(一財)石川県県民ふれあい公社(指定管理)

JAZA:◯

〔LIB情報〕

調査日:2018年11月19日

LIBページ:https://animal-liberator.net/animal-liberator/181119-126-notojima

写真:https://photos.app.goo.gl/ve1ZGoRRoKM1PmVs7

動画:https://www.youtube.com/playlist?list=PLQT1RmSZIgCqwcuUHki-rC6YbDqemRbol

この記事を書いたライター

リブ_シンボル

動物解放団体リブ編集部

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